アレサンドロです。
「うなぎ」は、
妻の浮気によって人間不信に陥り、
唯一飼っているうなぎだけに
心を開く中年男と、
自らの境遇を嘆き
自殺を図った女性との
心の交流を描いた
1997年の日本映画です。
監督は今村昌平。
第50回カンヌ国際映画祭
グランプリ(パルム・ドール)受賞作で、
今村は83年の「楢山節考」に続く
2度目の受賞です。
主演は、
非常に昭和の香りがする作品ですが、
原作の吉村昭作品における
女性の昭和的な美しさと
強さが溢れている作品です。
今回そんな女性を好演したのは
清水美砂。
作ったお弁当を受け取ってもらえず、
自分のペースで愛情を表現してゆく姿が
とても印象的です。
男には距離を縮められない
正当な理由がある。
だから女性ではない
話し相手が必要。
その存在になっているのがうなぎ。
そこがなんとも不思議で面白い。
無料では見られないとは思いますが、
お金を払う価値のある映画です。