アレサンドロです。
「お父さん、怖いよ。何か来るよ。
大勢でお父さんを殺しに来るよ」
薬師丸ひろ子のデビュー映画
「野生の証明」から。
高倉健主演による、角川映画第3弾の
バイオレンスアクション超大作である。
また、80年代最大のアイドル映画スター、
薬師丸ひろ子の記念すべきデビュー作。
「野生の証明」は、角川春樹の依頼を受けて、
森村誠一が「人間の証明」に続いて執筆した
原作を基に、映画化したものです。
権力志向の強い幹部に率いられた、
目的のために民間人の謀殺も辞さない
組織として自衛隊が描かれたため、
クライマックスの戦闘シーンの数々は、
当時の防衛庁の協力は一切得られず、
国内では撮影不可能と判断して
アメリカロケを敢行した。
戦車や銃器など、本物の迫力にあふれている。
物語は、1980年5月のある日、
反政府ゲリラの一団が
アメリカ大使と家族全員を人質にとって
立て籠もり事件を起こした。
政府首脳は秘密裏に陸上自衛隊に
出動を命じ、突入部隊は犯人たちを
全員殺害し、人質を救出、
素早く現場を立ち去った。
この部隊は、極秘裏に編成された
精強の特殊部隊「特殊工作隊」だった。
事件後、部隊は訓練の一環として
原生林の中に隊員を一人ずつヘリから下ろし
目的地まで自力でたどり着くよう命令される。訓練は過酷を極め、精神異常をきたす隊員や
行方不明者がでるなどした。
そのような中で、ある集落で
大量殺人事件が発生する。
現場に居合わせることになってしまった
隊員は、幼い少女を救うために
犯人を殺害してしまう。
訓練中民間人との接触を厳禁されていたため、
国防軍への昇格を目論む自衛隊幹部は
事件が発覚することで部隊の存在が
表面化する事態を危惧したが、
唯一の目撃者の少女が記憶喪失に陥ったため、真相が明るみに出ることはなかった。
1年後、この隊員は除隊し、
少女を養子に迎えて生活を始める。
しかし、警察によって事件が
暴かれることを恐れた陸自奥羽方面総監部は、隊員親子を抹殺することをもくろむ。
暴力団の一団と戦いになった元隊員は、
鍛錬で身に着けた特殊工作隊員の戦闘能力を
発揮して暴力団員たちを次々に殺していく
その姿を見た少女は、頼記憶を取り戻し、
元隊員が自分の父を殺したと気が付く。
元隊員を監視していた特殊工作員は、
元隊員と少女。自衛隊の演習地に
拉致・監禁し、抹殺任務の特殊工作隊本隊に
連絡する。
皆殺しの危機を察知した元隊員は、
脱出を図るが、連絡で駆け付けた
特殊工作隊が追ってくる。
特殊工作隊との戦闘で少女は
銃撃を浴びて殺されてしまう。
「お父さん、ありがとう」と
言い残して息を引き取る。
一人生き残った元隊員は、少女の亡骸を
背負い、押し寄せる戦車と歩兵部隊が
待ち受ける中へ単身で突撃していく。
主題歌は町田義人『戦士の休息』。